TOKYO KANGEKI LIFE

東京在住社畜OL。10年超のヅカヲタ。再燃した観劇熱を発散するために書いてます。毒吐き可能性あり、ご注意を。

宙組「王妃の館 -Château de la Reine-」/「VIVA! FESTA!」③

 ショーの感想はいつ書けることやら…「王妃の館」主要キャスト感想②です。

 

金沢貫一(愛月ひかる)/ミチル(星風まどか)

 えっと、愛ちゃんって一応3番手だよね…?そりゃ美味しい3枚目役というのはあるけども、この役って決して美味しいとは言い難いような。エセ関西弁&ヅラを持て余してる感がすごくて、まぁ様にいじられるまでハラハラしてしまった。こういう役を上手く調理できるのは星組男1とかだよねと思ったり。小器用な人でもないのに、人気を集めたい時期にこの役をあてられてしまうのはちょっと可哀想だったかな。
 まどか嬢もうーん。“水商売あがりだけど実は相手の本性をみてるイイ女” っていう役だと思うんですけど、なんとも中途半端な仕上がり。宝塚的で無垢な(ある意味幼い)雰囲気の彼女には、若さを活かしたチャラさも出せないらしく、終始「無理してます」感が前面に出てしまってた。(こちらも星組娘1のほうがハマリ役そう。)

 そもそもこの2人の年齢設定が謎で。原作通りおっさん×トウが立った
お姉さんにするなら衣装や髪型含めて作りこんでほしかった。路線だからそこまで冒険できないのであれば、2人のキャラに寄せて作り変えてあげればよかったのに。このカップルがもっと機能すればさらに面白くなったのにと少々残念。

 

近藤誠(澄輝さやと)/クレヨン(蒼羽りく)

 愛ちゃんの役よりもこっちの方が美味しくない?と思ってしまったあきりくコンビ。ずんちゃんが頭角を現して、まぁ様の退団も決まってしまった今、なかなか組内立ち位置は難しいところにいるけれど、いい意味で経験値を活かせる役をもらえているなと。
 あっきーはやっぱりシュッとしてカッコいい。線が細いので、当初りくくんに圧倒されまくりな感じも自然だった。相変わらず男役発声が不安定なところが気になるけど、それさえも役柄にあってて上手く作用していたなという印象。
 りくくんのクレヨンはかわいい。高身長を最大限活かしたお手本のようなオカマ役だけど、顔がかわいいから、あっきーが絆されるのも納得。ヅカにおけるオカマキャラって、体のいいギャグパート要員にされがちなので、クレヨンが幸せになって良かったね…!と心底思ってしまった。ほっこり。

 

 岩波(一輝千尋)/岩波正枝(花音舞)

  アイーダパパ一樹千尋様。やはりものすごく、ものすごーくお上手。「王妃の館」が纏まったのもこの方あってこそ。すっしー&あおい夫妻を叱りつけ励ますシーンは思わず泣けた。本当に専科さんって大事。芝居の締まり方が違うもの。一樹千尋さんは元星組組長。はっちさん英真さんと、星組組長は人情役者揃いね。ここら辺は組カラーをすごく感じますね。
 花音舞さんもとてもお上手。違和感のない老け役。こういう上級生娘役さんが組子にいると演出家の先生も使いやすいだろうなぁと思う。岩波夫妻がずんちゃんに優しいのもよかったなぁ。五月病の新卒が岩波夫妻に会ったら間違いなく号泣するよね。

 

下田浩治(寿つかさ)/下田ふさ子(美風舞良)

  宙組創設メンバーのお二人。ずんはな時代からいるんだもんね。なんとなく毎回しみじみしてしまう。創設からやっと20年、まだ生粋トップを輩出できていない若い組だからこそ、こういったベテランはとても大事。
 2人の持つ優しい雰囲気が役にぴったりで。「フランス来る前に自己破産とかしなかったのかな…?」とかツッコミたくなるんだけど、「優しいあまり人を疑うことをしてこなかったんだろうなぁ」と納得させられてしまう。これが柚長とかだと一括キャッシュで払っちゃいそうだし、そもそもこんな事態に陥らなそうだもんね。
 上にも書いたけど、岩波先生と対峙する場面は本当に泣ける。中年夫妻の自殺未遂事件という地味なエピを山場として持ってくるには岩波&下田夫妻の好演がなければ成立しなかったなと思う。他のツアーメンバーは皆キラッキラでリアリティを全く感じない分なおさらね。頼もしい組長・副組長です。

 この時点で前回よりさらに文字数がかさむという…次回でキャスト感想は終わりにしよう。本当に…。