TOKYO KANGEKI LIFE

東京在住社畜OL。10年超のヅカヲタ。再燃した観劇熱を発散するために書いてます。毒吐き可能性あり、ご注意を。

宙組「王妃の館 -Château de la Reine-」/「VIVA! FESTA!」①

 備忘録のため、最新公演の感想から。(悠長に構えてたら千秋楽を迎えちゃったけど…)

 日程短め&みりおん退団公演のためか、はたまたムラでの評判が良かったのか(当初ガラガラだった気がするけど)。繁忙期で深夜帰宅を繰り返しているうちに、思いがけずチケット難に陥ったこの公演。千秋楽前週、おそらく1回のみの観劇ということで、いつも以上にご贔屓追っかけ観劇になりましたが・・・まずは全体の感想から。

 王妃の館

 浅田次郎作品は結構読んでいたものの、こちらは未読。事前準備にと購入した文庫本も読み終えていない状態での観劇でした。
 映画版で水谷豊が演じていた風変わりな作家がまぁ様。ツアー会社社長のみりおん、ルイ14世がゆりか氏。資金繰りの苦しいみりおんのツアー会社が高額ツアーと低価格ツアー双方に同じ高級ホテル(王妃の館)をWブッキングしてしまうところから始まるお話。てるみくらぶ倒産のせいでやたらタイムリーな感じの設定に。2つのツアーにはそれぞれ事情のある参加者がいて・・・というコメディ群像劇でした。

 まず良かったのは登場人物が多いのに纏まりを欠くことなくお話が展開されていた点。原作の力が大きいのだろうけど、文庫で上下巻構成の長い原作を上手く本にした田淵先生には好印象。直近だと「ローマの休日」を演出されてるらしく(田渕作品には全く縁がなかったので知らなかったけど)、原作アリものを上手く調理できるタイプなのかしら。現代劇と言えば正塚先生ですが、大劇場ものをつくると途端に大雑把になるので、田渕先生タイプの台頭は貴重かも。ラストに北白川(朝夏)と玲子(実咲)の恋愛フラグが立つのは取ってつけた感満載だったけど、宝塚でトップコンビをくっつけないで話は終わらせられないからしょうがない。基本的にストーリーの運びには満足。

「メランコリック・ジゴロ」を観て以降、朝夏・実咲・真風の3人はコメディが向いていると思っていたし、(私的にこの3人体制での1番良かった作品は「メラコリ」です。)案の定うまく役を消化していたと思う。3人ともオールラウンダータイプな分、「エリザ」みたいな作品だと役に負けてるなぁと感じるところもあったので。
 そもそも宙組ってどことなく土台の方向性が見えづらい組だと思っているので、豪奢なお芝居とかよりもスタイリッシュなイメージを活かして、かつ主演の華に依拠しすぎない作品の方が向いてると思うのです。 
 それから愛月・澄輝・蒼羽・桜木・和希etc.路線男役をメインキャストに散りばめて出番を確保したうえで、物語の要になる役を一樹・花音・寿・美風のベテラン勢に任せたのもよかったなぁ。若手は目立ち辛い構成だったけど、作品としての仕上がりを左右するのはベテランの使い方だし。群像劇で視点が散逸しやすいからこそ、芝居巧者が締めるべきところを締めてくれたおかげで漫然とした印象にならなかったんだと思う。

 キャスト感想は次のエントリーで。想定以上に面白くていいお芝居でした。

VIVA! FESTA!

  Festa(祭)をテーマに…という作品。世界の祭りっていうとどうしても宮川大輔の顔がよぎる私(ワッショーイ)。さすがにワッショイはなかったですが、盛りだくさんなショーでお祭り感は感じました。
 中村A先生の作品って正直印象がうすい…直近のショーは観てない作品も多く過去のレビュー作品ですぐ思い出せたのは「サジタリウス」ぐらい。古いw(さすがにリアルタイムで観ていない作品だけど。サジタ~リウ~ス♪)
 いい意味でも悪い意味でも【ラテン系宝塚レヴュー】という感じ。主題歌もどこかで聞いたことがあるようなやつで。「HOT EYES」のほうがインパクトがあったかな。あ、でもソーラン節は楽しいですね。「宙組!」って言うたびに高揚しました。
 ソーランで思い足したけど客席降りが2回あるのは単純にテンションがあがりました。楽しかった。ライブの醍醐味ですな。後述しますがバッチリ目線とファンサをある方にいただいたのでそれだけで感無量です。正直それしか記憶がないくらい←
 全体的にみりおん退団仕様というわけでもなく(ラストの黒燕尾でMを作ってたところでようやく思い出したぐらい)どちらかというとまぁまか推し、というかゆりか氏が次期トップだよ~感が満載だった気がする。まだ発表されてないけど。
 次作のまぁ様退団公演は娘1不在なわけで、相性がいい2人を押し出して次につなげたい感じに思えました。まぁまか好きなのでおいしくいただきましたけど。それからずんちゃんの猛烈なアゲっぷりとうらら嬢の出番の多さも印象的でした。はて次の新体制はどうなることやら…と思わず勘ぐりしちゃいますね。印象に残った場面は次回以降に。

 「王妃の館」は宝塚王道ではないけれどストーリーとしての完成度が高く、「VIVA! FESTA!」はいわゆる宝塚らしく、多方面にバランスが取れているタイプの公演だったように思います。宝塚初観劇の方のエントリーとしてはよかったかも。私的には「王妃の館」が思ったより良かった分、「VIVA!FESTA!」が期待を若干下回った感じかなぁ。総合点としては満足でした。